年末年始に読む本を決めかねている

読書は好きでしょうか。ぼくは好きです。 紙の本も電子書籍も好きで、手でページをめくるのがそもそも好きです。

めちゃくちゃ本読むけど読書嫌い、という方はあまりいないでしょう。たぶん読めば読むほど自分なりの楽しみ方が分かってきます。

積ん読があるのにまた新しい本を買ってしまいます。読み終わってない、読んでないけど手元に積んである本のことです。今日はどれをポケットに入れ、家に帰ってきてからはどれを読もうかと悩む無駄な時間も好きだからです。

今年は何冊読んだか分かりませんが今までで一番多かったです。読書の何がいいのか少し書いて、今まで読んだ本からよかったやつを簡単にまとめます。よければどうぞ。

MoriHiroshiBooks

読書の何がいいのか

脳に擬似体験をさせてみる

どんな本を読んでいる時でも、その内容を全身で感じるシミュレーションが頭の中で起動しています。

漫画・小説・歴史書・特定分野の専門書などそれぞれの本が、扱う場所・時代・登場人物や著者の生い立ちや性格といった基盤となる前提条件を持ちます。読んだ瞬間から半強制的に脳はそれら条件の中で生きる擬似体験を始め、まるで自分自身が書かれた知識を持ち、書かれたように行動し、書かれたように物事を感じるかのようにトレースしていきます。この「他人トレース」によって、自分の思考回路の繋がりが組み替わったり知らなかった知識の世界地図が頭の中に追加されたりします。

というようにものの見方や性格や人生設計までを変えてくれる可能性を秘めながら、それを手に持って自分のペースで味わっていけるのが楽しみのひとつです。

知識を拡張する

個人的には最近プログラミングや研究の専門書を買う方が多いです。全ての本に共通して(専門書は特に)、内容を全て覚えて手元に置いておくのではありません。この本にはこういう話が入っていて、こういう感情や知識を手にできる、という索引を頭の中に増やしていきます。これを勝手に「知識を拡張する」と呼んでいます。

最近「生きていくうえでは何かを参照して問題を解決できる能力こそ使うし、カンニング許してよくない?」みたいなツイートをしました。いまの人類はいろんな機械や先人の知恵の上に生きているので、こだわり抜きたいところ以外では先人の知恵である本を上手く使いこなし自分にとっての良い思いをしやすくしていくのが大事だと思っています。

オススメ本

Amazonのリンクを貼っていますが、そのままポチって頂いてもぼくにアフィリエイトは1円も入りません。買ってみたよって言っていただければ紹介して良かったなってなります。説明しすぎるとそのバイアスを持って読み始めてしまうので、最小限に留めます。

個人的には、本を買うのはメルカリでも古本屋でも書店でも通販でも何でも良いと思っています。著者さんにお金が入って欲しいのは勿論なんですが、ぼくひとりがどう買おうがほぼ何も変わりません。時には自分ひとりのスケールで損得勘定をするのも大事だと思っています。これから頑張って生きて、お金が自身の人的資本を増やさなくなってきたと感じたら書店で新品を買います。もし名前が少しは世に知られるようになったら、直接に近いかたちで感謝を伝えたいです。

本紹介までが長い。

すべてがFになる (講談社文庫)

すべてがFになる (講談社文庫)

  • 作者:森 博嗣
  • 発売日: 1998/12/11
  • メディア: 文庫

小説はこのミステリシリーズ以外滅多に読みません。著者の森博嗣さんも登場人物も人間性がハッキリと分かる天才で、読んだ後に回収された伏線と次回以降に続く新たな伏線にいつも1冊読んでは余韻が長く残ります。死ぬ間際の自分が今の自分のために買いてくれたのだろうかと思うほどど真ん中で好きです。今46作目ぐらいまで読み進めました。

小説は探せば自分の好みを満たすものが必ずあります。逆に「こんな思考回路の人間もいるのか」と体験して今後の人間関係を幾分か生きやすくする使い方もあります。思考回路を知りたい人にオススメを聞いたり古本屋で手当たり次第買ってみたりして、自分にとっての味方を見つけてください。

人間がいかにコミュニケーションを複雑に理解し運用しているか。 とても読みやすく面白いファンタジー小説を通して、昨今のAIが学習を行う方法と研究者の苦悩が垣間見られます。

思い通りに運んでない時はもう少し判断材料を多く、質を高くすればいいのかと心底納得しました。 優しく明快に「正しく理解して初めて問題は解決に向かう」と理解させてくれます。

知的創造のヒント (ちくま学芸文庫)

知的創造のヒント (ちくま学芸文庫)

頭を上手く使うヒントだらけです。知識を醸造する話が一番好きです。 外山滋比古さんの本は1冊しっかり読むのが一番ちょうど良い。

人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている

人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている

  • 作者:ふろむだ
  • 発売日: 2018/08/09
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

環境は人の性格や人生設計を簡単に変えてきます。属するコミュニティと接する人たちが今の自分を表します。良い環境が良いループをぶん回します。望む生き方と現状が乖離していれば脱出の機運です。収まるところに収まるのもまた自分、人間にも人生にも良い悪いの評価軸は無いので、自身の気持ちと相談するきっかけに。

天才はあきらめた (朝日文庫)

天才はあきらめた (朝日文庫)

  • 作者:山里亮太
  • 発売日: 2018/07/06
  • メディア: 文庫

売れている芸人さんは自他両方について分析の解像度がかなり高いです。 山里さんのモチベーション維持についての考え方は、普段モチベとかやる気とか考えない人ほど参考になりそうです。 私ごとですが今年友達2人にM-1に誘っていただき出場した際には、1回戦敗退ながら笑いについて深い洞察を幾つも得ました。少しでも関わってみた世界はもう他人事とは思えません。お笑い芸人は芸術家やミュージシャンやアイドルのように個人が個人を直接好きになる要素が強い稀有な職業だと思います。そして塙さんはいつでも誰よりもお笑いを考えているようです。 来年は2回戦いきたい。

とにかく心優しく、関わる人みんなをポジティブに仕事へと駆り立てる元任天堂社長・岩田聡さんの人間性が詰まっています。 相手に変化を望む時には一貫して自らの真摯さを見せ、内側から突き動かす姿勢はどこを何度読んでも刺さります。

次は7冊まとめて。

臆病者のための億万長者入門 (文春新書)

臆病者のための億万長者入門 (文春新書)

  • 作者:橘 玲
  • 発売日: 2014/05/20
  • メディア: 新書

元財務官僚が5つの失敗をしてたどり着いた これからの投資の思考法

元財務官僚が5つの失敗をしてたどり着いた これからの投資の思考法

  • 作者:柴山 和久
  • 発売日: 2018/11/15
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

本は好きな人が読むものですが、「お金まわりの知識」と「自身の思考回路は過去に存在したか」だけは何かで知るとさすがに少しは良いんじゃないかなと思います。生きている限り働いて悩んで幸せになっていくその道中にずっと付き纏う話なので、知ってさえいれば悩まずに間違えずに済む分岐選択では上手く進みたいです。

上4冊がお金を考える入り口、この下の3冊が哲学・心理学など思考体系の入り口的な本です。『ウォール街のランダム・ウォーカー』だけ500ページぐらいインデックス中心に株式投資の話してるデカ本でかなり時間掛かるので、チャレンジする方は頑張って...。

嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え

嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え

幸せになる勇気――自己啓発の源流「アドラー」の教えII

幸せになる勇気――自己啓発の源流「アドラー」の教えII

『嫌われる勇気』と『幸せになる勇気』はアドラー心理学の入門的ビジネス書です。ここではアドラー心理学を理解してほしいのではなく、自分なりに固まってきてる考え方にはより傑作がおそらく過去にあったことを伝えたい。責任範囲を自他で分離し、自分の愛から始め、刹那を生きるというアドラー心理学の遠大な枠組みが、ここ数年で気付きつつまとまりつつあった自分の思想とキレイに重なり感動しました。そうなれば自身の考え以外の部分は、これまで気付いていなかったヒントとなる考え方の可能性がかなり高いです。

『武器になる哲学』も哲学の小難しい話は無くひたすら実用主義的に「こんな考え方したことありません?実は◯◯って哲学者は...」と淡々とまとめており、もやもやとした考えの断片を引っ張り出してキレイな武器にしてくれるかもしれません。 偉大な超賢い先人たちが死ぬほど考えて、だいたいの人間の悩みや考え方について一般的な答えを出しています。挙げた7冊は入り口の1つに過ぎないので、バイブルが見つかりますように。

鬼滅の刃 1 (ジャンプコミックス)

鬼滅の刃 1 (ジャンプコミックス)

マジで良い漫画です。笑いどころがけっこう面白いし、敵味方問わず生い立ちが形成した思想に毎回泣いてしまうし、セリフが刺さるし響くし、18巻オトナ買いして本当に良かった。 読んでる方いたらまた話しましょう。

まだ途中でもオススメの本

ここからは今途中まで読んでて良い感じに面白いやつを無責任に列挙します。むずくてゴツいので時間かかってるやつばっかりです。

音楽の哲学入門

音楽の哲学入門

プログラミングする人向け良かった本

UIデザインの教科書[新版] マルチデバイス時代のインターフェース設計

UIデザインの教科書[新版] マルチデバイス時代のインターフェース設計

  • 作者:原田 秀司
  • 発売日: 2019/01/21
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

マイクロインタラクション ―UI/UXデザインの神が宿る細部

マイクロインタラクション ―UI/UXデザインの神が宿る細部

  • 作者:Dan Saffer
  • 発売日: 2014/03/19
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

UNIXという考え方―その設計思想と哲学

UNIXという考え方―その設計思想と哲学

  • 作者:Mike Gancarz
  • 発売日: 2001/02/01
  • メディア: 単行本

Effective C++ 第3版 (ADDISON-WESLEY PROFESSIONAL COMPUTI)

Effective C++ 第3版 (ADDISON-WESLEY PROFESSIONAL COMPUTI)

実践TypeScript ~	BFFとNext.js&Nuxt.jsの型定義~

実践TypeScript ~ BFFとNext.js&Nuxt.jsの型定義~

  • 作者:吉井 健文
  • 発売日: 2019/06/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

改訂2版 みんなのGo言語

改訂2版 みんなのGo言語

おわりに

お付き合い頂きありがとうございました。他にもオススメ聞いていただければ知りうる範囲で答えてみます。

自分の堂々と欲しい本リストを貼って終える。

https://www.amazon.jp/hz/wishlist/ls/35NLEG21HHTG3?ref_=wl_share